2種類のごちそうさま 2 留意点:レストラン以外、感謝以外

2 留意点:レストラン以外、感謝以外

ここまでの話には2つ留意点がある。
1つ目は、この話はレストランでの場面に限らないということだ。例えば、洋服や雑貨を買う場合でも変わりはない。レジで店員から洋服が入った袋を受け取るとき、「ありがとう。」、「どうも。」などと言うならば、その感謝の言葉には、素敵な洋服を手に入れられたことに対する感謝の対象を限定しない受動的感謝と、店員に対する能動的感謝の2つの感謝が1つの感謝の言葉のなかに含まれている。
また、家庭における食後の「ごちそうさま」も同様だ。私が家庭で妻が作ったご飯を食べた後に言う「ごちそうさま」は、主には目の前にいる妻に対して言っている。言いながら、「共働きなのにご飯までつくってくれてありがとう、お疲れ様。」などと思っている。(テレビに気をとられて、あんまり思っていない時もあるが・・・)これは、能動的感謝だ。しかし、このとき、誰かに「奥さんにだけ感謝しているのか?」と問われたら、「いや、お米をつくってくれた農家の人にも感謝してるし、太陽の恵みにも感謝してるし・・・」などと答えるだろう。そこには受動的感謝も含まれている。それは、映画などでよく登場する、ヨーロッパかどこかの信心深い家庭で食事の前に神に感謝の祈りを捧げるシーンをイメージすれば明らかだろう。食事の前に感謝しているか、食事の後に感謝しているかの違いはあるが、家庭の食卓での感謝は、妻に対するものに限られない。能動的感謝と受動的感謝とが含まれている。
レストランのケースは、大抵、商品やサービスを手に入れるタイミングと、お金を支払うタイミングが重なるタイミングが異なることから2つの感謝があるということがイメージしやすいので、例として用いたということだ。
2つ目の留意点としては、感謝という言葉は、義理や礼儀といった別の言葉で置き換えてもよいということがある。今まで、「ごちそうさま」を感謝という言葉で表現してきたが、そこには、感謝だけでなく、義理や礼儀といった気持ちもあるという人もいるだろう。
正直、私には、そういう気持ちが薄いので、よくわからないのだが、少なくとも、この文章においては、感謝を義理や礼儀と読み替えても大きな問題は生じない。義理や礼儀の気持ちから「ごちそうさま」と言ったと考えてもかまわない。そうすると、感謝という言葉は、義理、礼儀といたものも含め、「相手の尊重」とでも言い換えた方がよいかもしれない。
しかし、あまり広くしすぎるとイメージがしにくくなるので、これからも、私自身が最もイメージがしやすい、感謝という言葉を用いていくことにする。よって、これからも、感謝という言葉がでてきたなら、義理でも礼儀でも尊重でも、イメージしやすい好きな言葉で読み替えていただいてかまわない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です