投資のすすめ

この文章はわかりやすい文章を書く練習のために書いたものです。

また、この文章は投資を全く知らないけど興味がある知人に僕なりの考えを説明するためのメモです。だから全く哲学的要素はありません。経済学的な誤りや独断も入っています。

0 わからないものには手を出さないという原則

この文章では、投資において僕が大事だと思うことを細々と説明していきます。

なぜなら、投資においては、わからないものには手を出さないという原則が大事だと思うからです。

逆に言えば、わかったら、分かる範囲で投資に手を出してほしいと思っています。多分、これから僕が説明しつつおすすめする程度の投資は、掃除の仕方や新幹線の乗り方といったことと同じくらいには人生において必要な知識だと思うのです。

1 投資のすすめ

1-1 お金を守る

これからおすすめする投資とは、ざっくり言うと、お金を減らさないようにすることです。だから、投資の目的はお金を守ることだと言っていいと思います。つまり、この文章はお金の守り方についての話です。(これから、お金を増やす、儲けるといった表現も使いますが、このことは覚えておいてください。)

お金を減らさずに守るというと、銀行預金やタンス預金をすればいいと思うかもしれません。確かにそうすれば、銀行が潰れたり、泥棒に盗まれたりしない限りお金はなくなりませんよね。だけど、実はそれではお金を守ることにはなりません。

まず、何十年の単位で見るとインフレにより確実にお金の価値は下がっていきます。昔は100円だった缶ジュースが120円になったりするように。経済学的に理論上絶対にインフレになるとは言えないかもしれないけれど、経験則的にはほぼそう言えるでしょう。インフレの影響を免れるためには、タンスからお金を出して、お金を動かす必要があるのです。

1-2 分散投資

また、銀行預金のより根本的な問題は、銀行預金だけでは「日本」の「現金」に資産が集中してしまうところにあります。実は資産をどこにも投資しないことはできません。手元に100万円があるとして、それで米国株を買わないからといって、どこにも投資していないニュートラルなお金にはなりません。米国株を買わず日本の銀行に預金をするということは、日本とアメリカとを比較し、日本を選択したということであり、現金での資産形成と株式での資産形成とを比較して、現金での資産形成を選択したということなのです。つまり、あなたは手持ちの資産100万円すべてを「日本」の「現金」に資産を集中するという危うい選択をしてしまったのです。

ここで「危うい選択」と表現しましたが、なぜこれが危ういかというと、投資においては分散投資をしたほうが安全である、という考え方があるからです。

もし、100万円のうち50万円を日本に投資し、50万円をアメリカに投資していたら、日本だけが不景気になっても半分しか影響を受けません。アメリカだけが好景気になれば半分はお金を増やすことができます。

さらには日本に投資している50万円のうち25万円で日本株を購入し、25万円を銀行預金にしておけば、株価が上がれば半分嬉しいし、株価が下がれば半分悲しくなるだけで済みます。

これが分散投資の考え方です。つまり小分けにしておいて、喜ぶのも悲しむのも「ほどほど」に抑えよう、という戦略です。

一方で、もし100万円全額を日本円で銀行預金にしておいたらどうでしょう。円高ドル安になればラッキーだと喜ぶでしょう。1ドル=100円だったのが1ドル=90円になれば、アメリカ旅行で10万円以上贅沢ができるのですから。また株式が暴落して不景気になっても嬉しいでしょう。株価が例えば半分になったら、それは世の中の株式に投資していた資産家の資産がすべて半分になるということなので、その分不景気になって商品の価格が値下がり、資産を全額銀行預金していた人は引き出した現金で商品を安く買うことができるのですから。(株式しか持っていなかった人は商品が半額になっても資産も半分になっているので買えるものは変わりません。)

ここまでが銀行預金をして日本円の現金に集中投資することのメリットですが、当然、集中投資が不幸を招く場合もあります。円安になれば資産価値は下がりますし、株価があがって好景気になったなら、物価上昇にも関わらず現金の額は変わらないので、相対的には資産価値が下がることになります。皆が好景気で喜んでいるときに取り残されてしまうことになります。つまり、好景気によるインフレについていけないことになります。

このような事態に陥らないように、分散投資を勧めているのです。

1-3 リスクを受け入れられるか

ここで、「円安やインフレがあっても日常生活で困ることはないのだから銀行預金でいいではないか。」という反論があるのではないかと思います。

確かにそのとおりです。海外旅行での買い物でレートを計算するときや、ハイパーインフレーションで紙幣を束で持っていかなければパンも買えないような極端な状況でなければ、多分、実感として、「ああ、銀行預金だけでなく分散投資しておけばよかった。」などと後悔することなどないでしょう。

一方で、分散投資を選択してアメリカ株式を購入していたら、毎日の円ドルのレートが気になってしまうし、アメリカ株大暴落なんていうニュースを読んだら心穏やかではいられないでしょう。「いやいや、逆に日本円の現金は相対的に価値が高まったんだよ。」なんて言われても慰めにしかなりません。

僕もそう感じるだろうし、多分それは心理学的に人間に当然の反応であって、なにもおかしいことではありません。だから無理に、投資に対する恐怖心を押し殺して投資する必要などないと思うのです。なぜなら、所詮、お金は幸せになるための手段ですから、お金のせいで不安になってしまったら本末転倒です。

だから、株式などに投資をするかどうか、また、投資をするにしてもどの程度とするかは、自分の心や家族の意見に耳を傾けたうえで判断すべきと思います。

1-4 人生における投資の意義

それでも僕は、攻めた投資を勧めます。なぜなら投資とは、自分の未来を少しでもコントロールしようとする努力だと思うからです。

なお、僕が勧める攻めた投資とは、儲けが大きい博打のような投資をするという意味ではありません。不安に打ち勝ち、分散投資という基本に則り、理にかなった投資を理屈どおりに淡々と実行するということです。詳しくは後述しますが、それは、最適と思うかたちで資産配分するということでもあります。日本円の預金20%、日本の株式30%、ドルの外貨預金25%、ドルの株式25%というように。(割合は適当です。)

なぜそれが未来のコントロールにつながるのかと言えば、それを実行するだけで、リスクに対する恐怖心に負けて不効率な資産の配分をしてしまった人よりも有利な道を歩める可能性が高まるからです。

ただし、あくまで高まるのは可能性です。最適と考える投資をしても資産が減ることはあります。というか、儲かったときより損をしたときのほうが心に残ることをかんがえると、実感としては損してばかりと感じるかもしれません。

それでも攻めた投資を勧めるのは、自分の人生を自分で選んでいるという実感につながるからです。リスクへの恐怖に打ち勝ち、淡々と自らが定めた投資を継続することができたなら、その結果がどうであっても最善を尽くしたという自信につながるのではないでしょうか。そして、その自信が、投資以外も含めた人生全般においてプラスになるのではないでしょうか。

1-5 投資の効果

ただ、こういう精神論だと響かないかもしれないので、別の方向から投資を勧めたほうがいいかもしれません。

投資が成功すれば金銭面での自由を得られます。何億もの資産があれば全く働かずに資産収入だけで暮らすこともできるかもしれません。だけど、そこまでいかなくても、例えば、1000万円の資産があり、そこから毎年3%の収入が得られれば、毎年30万円分を生活費に回すことができるし、うまくいければ海外旅行だって行けます。これはなかなかの成果でしょう。

その成果は無理をして博打のような投資をしないと到達できないものではなく、適切な投資を続けるだけで到達出来る可能性があるものなのです。

1-5-1 世界の株価

例えば今日(2020.10.18)のS&P500(アメリカの株価指数)は3483ですが、調べてみると、50年前の1970年10月の指数は84だったようです。(https://jp.investing.com/indices/us-spx-500-historical-data

これはつまり、アメリカに投資していたら、50年で資産が40倍に増えていたということを意味します。単純平均で年8%(400%÷50年)ですね。

たまたま当時のアメリカの調子がよかったと考えたとしても、今後もどこかに投資して年3%くらいだったら期待できそうな気がしませんか。

1-5-2 複利効果

更に着目したいのが複利効果です。

100万円投資して翌年に103万円になったとして、その3万円で温泉に行くのはいい選択です。温泉は気持ちいいし、日常から離れたところでのんびりご飯を食べるのは贅沢な気分になりますよね。だけど、もしその3万円を翌年の投資に回したら、
103万円×103%=1,060,900円となり、温泉に行くよりも900円増えます。これが複利効果です。
900円だとたいしたことがありませんが、もし20年間続けたなら、100万円は80万円増えて180万円になります。もし毎年温泉に行っていたら(20年×3万円で)60万円しか使えなかったはずなので、20年後には20万円の差が出ることになります。

ここで、20万円というと、やはりたいしたことがないと思うかもしれません。確かにそうなのです。20年温泉を我慢して、やっと20万円です。子どもが生まれてから20年間、子どもを国内旅行にも連れて行かずにお金をためて、20年後、成人した子どもとようやく80万円を使って海外旅行に1度だけ行ったとして、それが幸せなのかというと、僕は違うと思います。だから複利効果も念頭におきつつ無理はせずに今を楽しみつつ資産運用するのがおすすめです。

だけど投資を勧める立場としては、もう少しアピールしたほうがいいかもしれません。先ほどは年3%で計算しましたが、例えば、過去のアメリカと同様に年8%の伸びがあったとします。そうすると、100万円は20年後には466万円になります。毎年8万円を使ってしまっていたら、(20年×8万円で)160万円しか使えなかったはずなので、複利効果により200万円を手に入れられる計算になります。もしあなたが投資に楽観的な見通しを持つ方でしたら複利効果はより魅力的なものとなるはずです。

2 資産の種類

ここまでで、銀行預金やタンス預金だけでなく、外国株式なども含めて分散投資をすることの必要性と魅力は理解いただけたと思います。

ここからは、具体的にどのように分散投資すればいいのか、という話に移ります。

2-1 株式と現金

投資先となる資産としては、現金(預金)、株式のほかにも、債券、商品(金や小豆など)、不動産といったものがあります。

ちなみに、ここで挙げていないものとして投資信託がありますが、投資信託とは、株式や債券の買い方についての名前です。投資信託とは株式や債券をいくつかまとめたものを小分けにして売り買いしているものです。だから、投資信託とはつきつめると株式や債券のことです。また、その他にも有名なものとして外貨預金もありますが、外貨預金とは外国の預金なので、現金に含めることにします。

それでも色々な種類があって戸惑うかもしれませんが、ここまで列挙した資産はざっくりと、株式と現金に分けることができます。それ以外の債券、商品、不動産といった資産は、いずれも株と現金の二面性を持ったものとして扱うことができると考えています。

2-1-1 株式

株式は、ご存知のとおり、企業が発行するものです。株式とは、その企業の所有権を細かく分けたものだと言っていいでしょう。1棟のマンションに10世帯が住んでいるとします。これはつまり、そのマンションを10世帯で10分の1ずつ所有しているということです。外壁のペンキを塗るかどうか、管理会社をどこにするか、といったことは10世帯の合意で決めることとなります。それと同じ関係が企業と株式の間にはあります。

いやいや、実際は株主ではなく社長が色々と決定しているでしょう、と思うかもしれません。確かにそうなのですが、投資の観点では、企業=株式という視点が重要です。なぜ、企業と株式を同一視することが重要かと言えば、それは資本主義経済の担い手は企業だと言っていいからです。つまり、資本主義経済=企業=株式 なのです。(データ上も世界のGDPと世界の株式の総資産はほぼ連動しているようなので、この考えは大きくずれてはいないと思います。)

ここに株式の重要性があります。株を買うとは、つまり資本主義経済を買っているということであり、株を買わないとは、つまり資本主義経済に乗っかっていないということなのです。

何百年もの間、資本主義経済は右肩上がりでした。世界恐慌などで一時的に収縮することはあっても、資本主義経済は膨張し続けています。好むと好まざるとにかかわらず、僕たちは資本主義経済にとりこまれ、そのなかで物を買ったりしています。完全に自給自足の生活を送るのでなければ、資本主義経済に投資しないということは、右肩あがりの世界で、自分だけが(資本主義経済的な見地では)損をし続けるという選択をするということなのです。

脱線ですが、ここにお金持ちと貧乏人の差があるのだろうと思います。お金持ちはどんどんお金が増えていき、お金がない人は増やす元手がないので損をし続けることになります。そこには努力などではどうしようもない大きな格差があります。

それはともかく、資本主義経済に乗っかるための手段として株式投資には明らかな優位性があると言えるでしょう。

2-1-2 現金

株式の対極にある資産は現金です。現金はそのままでは額面上、増えもしないし減りもしません。長期的には資本主義経済の発展により、相対的には価値が減少していきます。明治時代の1円札は額面上1円の価値しかないように。だから現金は明らかに損です。

ただ現金は、先ほど指摘したように、なんとなく安心するという効果があります。ここまで色々と現金が不利であることを説明してきたけれど、それでも、株価が上下するのを毎日ニュースでチェックするよりも、銀行預金の預金高を眺めたほうが安心できる気持ちは僕も同じです。現金が持つこの魅力は無視してはならないと思います。

また、子どもを大学に入れるために500万円は準備が必要だとか、今月の食費として10万円くらいはとっておきたいとか、わかりやすさも現金の魅力です。突然ハイパーインフレーションになれば10万円では食費は賄えないかもしれないけれど、そのような僅かな可能性を無視するならば、現金さえあれば将来に備えることができます。近い将来に必要なお金は手元に必要です。(どのくらいが近い将来かは後述します。)

もうひとつ、すぐに使えるというのも現金の優位性でしょう。証券会社を使っていて意外と面倒なのが資産の現金化と現金の出し入れです。株か投資信託かといった資産の種類により違いはありますが、手続きに数日は見ておいたほうがいいです。もし不動産投資などをしていたら、現金化には月単位で時間がかかるでしょう。現金化までの間に必要となる可能性がある額の現金は手元に置いておくべきです。

以上のような現金の優位性も考慮し、ある程度の現金は手元に残しておくべきでしょう。(このような文章を読むような方は、すべてを株に回すようなことはないと思いますが。)

2-1-3 債券

債券とは、国や企業の借金を証券化したものです。借金なので国や企業はお金を貸してくれた人に利息を払います。利息を狙って債券を購入するのです。ではその利息はどのように決まるのかというと、借金する時点で予想される資本主義経済の伸び率によってです。国か企業から「今年の資本主義経済は3~7%伸びると思うけど、平均の5%よりちょっと少ないけど、確実に4%の利息を払うからお金を貸してくれない?」と提案されて「他のところに投資したら5%くらい儲かる可能性が高いけど、それより確実に4%を狙ったほうがいいかな。」なんて思った人が債券を買うのです。

そのように考えると、資本主義経済に乗っかっているという点では債券は株式に近いし、将来が確定して安心できるという点では債券は現金に似ています。つまり債券は株式と現金の中間の性質があると言っていいと思います。

(なお、そこから更に債券の発行元の信頼度で利息は上下します。先進国の国債なら利息は低いし、破綻しそうな国や企業の債券なら利息は高くなります。直近の1年で10%の確率で破綻しそうな国の債券なら、年10%くらいの利息を上乗せしてもらえなかったら買う気にはなりませんよね。また、外国の債券は外貨としての性質もあります。だから為替レートによっては大きく損をすることもあります。利率が高い債券には注意しましょう。)

2-1-4 商品

商品と呼ばれるもののなかには、金、原油、大豆といったものがあります。

正直、この文章を読むような人は商品には興味がないと思うけれど、金くらいは検討するかもしれないので僕の考えを簡単に説明しておきます。

金は最近20年くらい価格が上昇し続けていますが、金の価格があがるのは世界のお金(貨幣)が増えているからです。金も採掘されてはいますが、それよりもお金(貨幣)が増えているので相対的に金の価格が上がっているのです。

では、なぜお金(貨幣)が増えるのかといえば、やはり資本主義経済が膨張しているからです。つまり、金の価格が上昇するのは、資本主義経済が膨張することの影響を受けているから、ということになります。とすると、この点では金は株式の一種と考えてもいいでしょう。

他の商品も似たようなものとも言えますが、原油や小豆は投資のためだけの商品ではなくいわゆる実需もあり、価格の変動も大きくなります。また原油を買うためには原油を保管するためのタンカー代も負担しなければならない、産出国が正常不安定だと事件が起きて価格が大きく変動することもある、といった様々な留意点が商品ごとにあります。よってその分野に詳しくない限り、金以外の商品は避けたほうがいいと思います。ちなみに僕自身は、金についても、例えば新しく海水から金を精製する技術ができて価格が大きく下がるのでは、といったことを考えてしまうので手を出すつもりはありません。わからないものには手を出さないという原則を特に心にとどめておくべきなのが商品の分野だと思います。

2-1-5 不動産

不動産も商品に似ています。バブルを例に出すまでもなく、不動産というのは余ったお金が流れ込む先です。金と同様に、投資に値する不動産には限りがあるので、世界経済が膨張するにつれ、世界の不動産の価格は右肩上がりになっていきます。その点では、商品と同様に、不動産も株式と似たようなものと言えるでしょう。

一方で、不動産についても、不動産ならではの様々な特徴があります。火事があれば燃えてしまう、アパートを建てた途端に近くにあった大学が移転してしまうなどなど。不動産は一番身近な金融商品かもしれません。

その点では、商品と同様に不動産も初心者向けではないのですが、不動産については自分で使うこともできる、という特徴があることは留意しておくべきでしょう。つまり、持ち家も資産運用のひとつなのです。賃貸に住み続けるか持ち家にしたほうがいいのか、という問題は、マイホームの夢というような漠然としたものではなく、資産運用のひとつ、それも上級者向けの資産運用だということを肝に銘じてシビアに検討すべきでしょう。
(ちなみに僕は持ち家にしました。賃貸だとちょうどいい物件がないというのが大きな理由です。ただし将来貸せそうか、転売できそうか、といったこともそれなりに考えて決断しましたよ。)

なお、不動産の場合、非常に低い金利でローンを組めるという点も重要でしょう。個人が投資目的で融資を受けることはなかなか難しいですが、住宅を買う場合にだけ非常に有利な条件で認めてもらえます。だから、なるべく長期の住宅ローンを組み、返済額を最低限にして、余剰のお金を投資に回すという戦略をとることもできます。ただこれも、不動産というただでさえ上級者向けの資産運用を、借金してまで行うということなので、それなりの検討が必要でしょう。

以上のように、すべての金融商品は、資本主義経済に乗っかっている株式的な側面と、そこから外れるものとしての現金的な側面を有していると考えることができるでしょう。

図で示すと、「株式・不動産――商品(金)――債券――現金」となるでしょうか。(金の位置づけは微妙ですが。)

2-2 基本戦略

ここまで、投資先となりうる資産について種類ごとに考察してきました。

他にもデリバティブと呼ばれるような金融商品もありますが、契約上の複雑な仕組みを使ったものなので、わからないものには手を出さないという原則を踏まえれば避けたほうがいいでしょう。ちなみにFXもデリバティブの一種です。ざっくり言うと、デリバティブとは保険の一種で、「○○の事態が生じたときに損をしないor儲かる」という契約を結ぶということです。保険料を支払う代わりに家が火事になったら建て替え費用を補填してくれる火災保険と同じようなものです。同様に、(1ドル=105円の今)1ドルが100円以下に下がったら利率がゼロになる代わりに1ドルが100円以上のまま推移すれば利率を倍にするという契約を結ぶことになります。(ただし、火災保険とこの例のデリバティブでは、どちらが胴元になるかで違いがあります。火災保険の場合は保険会社がリスクを負い、デリバティブではドル安となるリスクを我々が負うことになります。)

そのような上級者向けの金融商品を除外するならば、僕が提案する投資戦略は次のようにまとめることができます。

ステップ1:必要な現金の額を把握し、とっておく。

ステップ2:残りは株式投資に回す。

ステップ3:株式と現金との中間的な性質を持つ投資先(債券、商品(金)、不動産(特に持ち家))について、どの程度、株式や現金と置き換えることができるか検討する。

ということになります。

ステップ3が複雑なのですが、重要なのはステップ1と2なので、ステップ3については無視しても大きな問題はありません。

債券を買うか、金はどうか、と悩むのが面倒なら、株式しか買わなくても大きな問題はありません。不動産についても、持ち家にするのは相応の決断が必要だけど、賃貸にしている限り大きく失敗することはないはずです。

3 投資の具体的な戦略

さて、現金と株式を組み合わせるという基本戦略を定めたところで、具体的な投資の仕方という各論に移ります。

さきほどの基本戦略で、いくら現金でとっておき、いくら投資に回せるかは明らかになったとして、次の段階として、手持ちのお金を具体的にどのように投資すればいいのかを検討することとなります。(いくら現金としてとっておくべきか自分で考えるのが不安なら、ファイナンシャル・プランナーに相談をしたらいいと思います。ライフステージごとにいくら必要なのか、わかりやすく教えてくれるでしょう。ただ、変なところとつながっていないところに相談しましょうね。)

3-1 個別株vs投資信託

ここでの投資とは、原則として株式投資を指すので、まず個別株を買えばいいのか、投資信託を買えばいいのか、について考えましょう。

なお、念のため説明しておくと、個別株とは、ソフトバンクやアップルといった企業の株を購入することです。

この問題については結論は簡単で、はっきり言って、個別株を買うのはやめましょう。

わからないものには手を出さないという原則を踏まえるならば、個々の会社の事情など素人にわかるはずがありません。もしあなたが内部の関係者で事情に通じていたら、インサイダー取引となり犯罪です。

また、個別株に手を出すということは情報収集などに相応の時間をかけることにつながります。あなたの趣味が株式投資でない限り、このようなことに時間を使うことは人生の無駄です。投資に費やす時間を最低限に抑えて人生を有意義に使いましょう。

では、時間をかけずに効率よく投資をするにはどうすればいいのでしょう。

その答えが、ここまで僕が勧めてきた、分散投資を導入し、資本主義経済の膨張に乗っかるという戦略です。
広く薄く投資すれば大きく損をすることはなくなるし、資本主義経済の膨張という揺るがない事実に乗っかれば間違いありません。

そのためにちょうどいいのが投資信託です。
投資信託は、色々な企業の株式(や国の債券)をまとめたものなので、例えば、米国情報技術セクターETFという投資信託を買えば、アップルやマイクロソフトなどの株式を少しずつ購入したのと同じことになります。
(ETFとは、投資信託を株式のように取引できるようにしたものです。)
これならば、たとえアップルが倒産しても、少し値下がりするだけの被害に抑えることができますよね。

絶対、選ぶべきは投資信託です。

3-2 日本株式vs外国株式

世界にはアップルやマイクロソフトだけでなく、なだたる企業があります。一方で日本だって、一時の勢いはないにせよ、トヨタやソフトバンクなど負けていません。近年の株価の伸びでは日本は分が悪いけれど、そもそも、わからないものには手を出さないという原則を踏まえるならば、日本人であるならば、多くの情報が得られる日本に投資したほうがよいようにも思えます。

海外と日本、どちらの戦略もありうるとは思うのですが、ただひとつの点を考慮し、僕は、日本ではなく海外に投資すべきと考えます。

考慮すべきは、日本に住んで、日本で給料をもらっているという時点で、すでに日本に集中投資しているようなものだ、という事実です。

多分、この文章を読むような方は、働かずに済むような資産家ではなく、日々、仕事をして日本円で稼いでいるでしょう。将来、日本の景気がよくなれば、給料はあがるし、年金などの社会保障も安泰となります。そうなったら、正直、ちまちまと投資をして増やしたお金など、あまり必要ありません。

一方で、もし日本の景気が悪くなり、給料が下がったり、年金制度が破綻したりしたとき、外国株式に投資していたらどうでしょう。生活の助けに多少なる程度の額かもしれませんが、そのようなお金が無傷で残っていたことに、とても有り難く思うのではないでしょうか。

不必要なときには少ない額でいいけれど、必要なときにはなるべく多くの額がほしい。そのためには、日本の経済とは別の値動きをする資産を持っていたほうがいいのです。とするならば、日本株に投資するか、日本以外の外国株とするかの答えは明らかでしょう。

株式投資を外国株に絞ることで、逆に、仕事は日本、株式投資は外国というかたちでの分散投資ができるのです。

3-3 積立投資

ここまでで、株式投資をするなら、日本以外の外国株式の投資信託だということがわかりました。

では、早速、手元にある100万円で100万円の投資信託を買えばいいのでしょうか。それはちょっと急ぎすぎですよね。

今の株価が安いのか高いのか、これから株価が上がるのか下がるのかは誰も知りません。知っていたらその人は億万長者です。だから、今、どんなに買いどきだと思っても値下がりするリスクはあります。全額で投資信託を買ってしまって、いきなり値下がりしたら、投資なんて嫌になってしまいますよね。

おすすめは定額を少しずつ積み立てるという戦略です。これはドルコスト平均法とも呼ばれ、大きく損はしないし、大きく得もしないけれど、ちょっと得かな、という感じのやり方です。

僕は、この戦略は、実際に得するかどうかよりも、心穏やかに投資できるという点にメリットがあるように思えます。
株価が大きく下がっているときには、既に買った分は値下がりしてしまったけれど、これから買う分は安く買えるんだ、と自分を慰めることができます。
株価が上がっているときは、もっと早く買っておけばよかった、もう少し下がったら買おうかな、なんてモヤモヤ考えずに、自動的に淡々と購入することで、買い時を逃さずに投資することできます。
人間の心の弱さを補うものとして、積立投資戦略はとても有効だと思うのです。

なお、毎月の給料から一定の額を投資に回すという場合、いくらずつ積立をするかは簡単に決められますが、すでにある100万円をいくらずつ積立に回すかは難しい問題です。

僕にも答えはありませんが、考慮すべきは、世界的な株価の下落は、これまで、コロナ・リーマン・・・と遡ると10年に1度くらいの頻度で起きているといいう事実です。そう考えると少なくとも数年かけて積立が終わるよう、少しずつ積立をしたほうがいいように思います。一方で、早めに投資を始めないと儲けも少なくなるというジレンマはあるのですが・・・

3-4 投資の期間

ここまでで、よし、投資するぞ、と思っていただいた方がいたら嬉しいです。

だけど、ここまで勧めてきてなんですが、その投資はなんのためにするのでしょうか。たぶん、将来、まとまったお金が必要になったときのために、ということだと思いますが、それはいつのためでしょうか。

僕が考える投資とは、10年、20年の長期間で行うことを想定しています。長期的な経済環境の変化から資産を守るための投資なのですから当然でしょう。未来は不透明だからこそ、少しずつ分散投資をすることでリスクを減らして資産を守るという戦略をとっています。だから短期的には損をすることもあります。

もし、あなたが今、中学生の子どもがいる親で、大学進学資金で株式投資しようとしているならばやめたほうがいいと思います。(または後述する債券投資に限ったほうがいいと思います。)数年で得られるかもしれない儲けは少ない割に、万が一、損をして大学進学ができなくなったら、最悪、家庭崩壊です。

僕の提案する投資が一番適しているのは、老後資金のために行う投資です。

10年、20年と投資期間があれば、コロナやリーマン級の株価下落があったとしてもいずれ持ち直すでしょう。これまでの資本主義経済の傾向を信じるならば大きく損をすることはないはずです。うまくいけば、年8%の複利効果によりお金は大きく増えるかもしれません。そうしたら早期退職をして世界一周旅行ができるかもしれません。(僕の願望です・・・)

そういう妄想はともかく、重要なのは、長期的な世界経済の変動に家計がついていけるということです。万が一、日本の財政が破綻しても、日本だけが経済停滞して貧しい国になっても、外国資産というかたちで資産を守ることができるのです。

このような長期的な視点の投資は、少なくとも10年くらい先を見据える余裕を持って行うべきだと思います。

もし、あなたが目指す投資が僕が考える投資とずれているならば、少なくとも僕が提案するままに投資をするのはやめたほうがいいと思います。

3-5 NISAとIDECO

ここまで、なるべく汎用的な内容にしようと心がけてきましたが、ここで2020年の今にしか通用しないだろうことに触れておきます。

NISAとIDECOです。これらがどのような制度かは色々と情報があるので皆さんにお調べいただくとして、ざっくり言うと、いずれも税金が安くなる制度です。だから、条件に合えば絶対に使うべきだと思います。

ただ、その前提として、投資の期間をどの程度想定するか、という問題があります。NISAは頻繁に売り買いすると不利になる可能性があり、IDECOは60歳まで引き出せません。

だけどこれらは、僕が考える長期的な投資スタイルでは問題とはなりません。先ほど想定したような、10年、20年先の老後を見据えて長期の投資期間を考えているならば、積極的にこれらの制度を使うべきだと思います。

4 具体的な投資のあれこれ

ここまでで、目指す投資スタイルが明らかになりました。10年、20年という長期間にわたり、NISAやIDECOを最大限活用し、日本以外の外国株式の投資信託を積立投資しつづけるというものです。

ここからは、僕自身の経験を踏まえた独断も含めて、具体的にどうすればいいのか、お示ししたいと思います。

4-1 証券会社選び

まず、お世話になる証券会社を選ぶことになりますが、ポイントはいくつかあると思います。

①長期間お世話になるので、できるだけ大手で安心できるところ。(万が一破綻しても、お金が引き出せないなんてことはないですが、色々面倒なので。)

②NISAやIDECO、投資信託の取り扱いが充実しているところ。(個別株の取引が充実しているところではなく。)

③費用が安くて色々と便利なネット証券。

という感じでしょうか。当てはまるところはいくつかありますが、独断と偏見では、2020年10月現在だと「SBI証券」がいいと思います。なお、あわせて「住信SBIネット銀行」の口座も開設しておくと色々と便利かもしれません。(ほかには「楽天証券」もいいかもしれませんね。「マネックス証券」はなんとなく、少し玄人向けな気がします。)

4-2 投資信託の銘柄選び

証券会社を決めたら、いよいよ銘柄選びです。(その前に面倒な口座開設手続きはありますが・・・)

4-2-1 インデックスファンド

まあ、外国株式の投資信託ならなんでもいいのですが、おすすめは、インデックスファンドというものです。投資信託には、投資信託を運用する人があれこれ考えて投資するアクティブファンドと、株価の指標(日経平均とかダウ平均とかいうやつです。)に機械的に連動するだけのインデックスファンドというものがあります。本気で儲けようとするならば、ファンドマネージャーを信頼してアクティブファンドもいいでしょうが、僕が推奨する投資は、あくまで分散投資をして資産を守るためのものなのでインデックスファンドで十分です。

インデックスファンドのメリットはコストの安さです。投資信託にかかるコストとしては、購入時にかかる買付手数料と、毎年かかる信託報酬とがあるのですが、インデックスファンドはいずれも低く抑えられています。

ダメ押しとなりますが、面白いことに、決してアクティブファンドの成績は決して優秀ではありません。ソースはきちんと調べていませんが、アクティブファンドの成績の平均値はインデックスファンドに負けているらしいです。

ということで、インデックスファンドで間違いないでしょう。

4-2-2 アメリカか世界か

さて、具体的な銘柄を選ぶ際の最大の難関のひとつは、世界全体の株式を買うか、それともアメリカの株式を買うか、です。

実は分散投資と言っても、世界の株式の3分の2はアメリカ株です。つまり株式に分散投資するとは、アメリカ株を買うということにかなり近いです。これでは分散投資にならないですよね。ここが苦しいところです。

それならば諦めて本家のアメリカ株に限るか、それとも、これからは新興国の時代だということで世界株を選ぶかは、個人の好みの問題だと思います。

この問題を僕自身が考えるにあたって重要だと思っている視点は「人口ボーナス」と「覇権国家」です。

人口ボーナスとは、人口が増えているときに、その国の経済は伸びるという法則です。人口増が経済成長のボーナス加点になっているから人口ボーナスです。戦後日本がよい例でしょう。若いベビーブーム世代は、老人介護などの問題を抱えずに右肩上がりの経済成長を達成しました。それと同じことが世界中で起きているというのが人口ボーナスという視点です。

この視点から東南アジアそして中国の成長が説明でき、その次はアフリカだと言われています。ちなみにアメリカは先進国になっても移民による人口増が予想されている珍しい国です。

つぎに「覇権国家」ですが、これは、どちらかというと政治学用語です。紀元前後はローマ帝国が覇権国家で19世紀はイギリスが覇権国家でした。20世紀は当然アメリカです。現代は覇権国家アメリカに準覇権国家である中国が挑戦しようとしている図式でしょうか。

アメリカと中国の振る舞いを見ていれば、覇権国家のメリットは明らかでしょう。覇権国家になれば、ジャイアンのように自分のルールを周囲に押し付けて有利な状況を作り上げることができるのです。覇権国家だけが世界経済の果実を総取りできるとも言えます。(僕はあまり詳しくないですが、1985年のプラザ合意がその例でしょう。これは覇権国家アメリカが日本に円高を押し付けることでアメリカが日本の富を奪い取ったとも言えるでしょう。)

僕個人は、このような観点から、米国株に絞ってもいいかな、と考えています。どうせ米国株が下がれば、よほどのことがない限り、全世界の株が値下がりするだろうし、とも思っています。(このあたりは人それぞれだと思います。)

あと、細かい話ですが、世界株式より米国株式のインデックスファンドのほうが手数料はちょっと安いです。

また、世界株式タイプの投資信託の多くは、投資先に日本が含まれてしまっているので、少額でも日本に投資してしまうことが嫌でしたらやめたほうがいいかもしれません。

ということで、世界株式と米国株式の二択で悩んでください。

4-2-3 債券も少々

ここまで株式前提で話を進めてきましたが、安心感という点では現金に近い性質を持つ債券も捨てがたいものがあります。

債券を発行するということは、アメリカのような一流国が利率を決めて利息を払うと約束してくれているのです。この約束が破られるときは世界の経済が破滅するときでしょうから、あまり気にすることはありません。ですので、債券は実質的には外国通貨での定期預金のようなものと考えてよいでしょう。

更に投資信託になっていれば、いつでも売り買いができるので、数日待てば現金化することもできます。

ということで、安心感を重視するなら、投資信託を選ぶにあたっては株式だけでなく債券の投資信託を考慮に入れてもいいと思います。
または、当座必要でないけれど確実に現金として確保しておきたい分は、現金ではなく債券にしておいてもいいと思います。

なお、ここ場合も外国債券を選ぶのがポイントです。日本の債券を選ぶということは結局、日本円に集中投資していることになってしまいます。外国の債券ならば通貨の面では分散投資ができるので、僕が提案している投資スタイルにうまく合致します。

4-2-4 銘柄選び

以上を踏まえると、具体的には、世界株式か米国株式のインデックスファンドに、好みに応じて外国債券の投資信託を組み合わせるという戦略がおすすめということになります。

では、それを踏まえて銘柄選びです。

(実は僕が提案している投資スタイルは非常にオーソドックスなものなので、最近出てきているロボアドバイザーを使っても同じようなことになります。つまり、こんなに長々と読まなくても、ロボアドバイザーサービスに申し込めばよかったのです。だけど多分、ロボアドバイザーはIDECOやNISAに対応していないので、それらを活用する方は普通に自分で銘柄を選ぶ必要があります。)

コストが低いインデックスファンドには、いくつかブランドがあって、2020年現在、代表的なものは、eMAXISとバンガードです。このあたりは移り変わりがあるので参考までですが。まあ、インデックスファンドはコスト競争が激しく、いきつくところまでいっている感があるので多分、どれを選んでも大差ないです。

ただ、証券会社の一覧に出てくる投資信託のなかには米国株式のうち中小企業だけに投資するものや、世界株式のうち先進国にだけ投資するもの、というように投資先を限定したものもあるので注意してください。ここで選ぶべきは、なるべく薄く広く投資するタイプの投資信託です。

あと、債券も混ぜるなら、バランス型と呼ばれるカテゴリーを選ぶといいかもしれません。これは債券と株式などいくつかの種類の金融資産をバランス良く混ぜたものです。

とにかく証券会社のサイトで、国際株式、国際債券(またはバランス)のカテゴリーに区分されているインデックスファンドを手数料が安い順で並び替えてよさそうなやつを選びましょう。購入する銘柄で検索をすればネット上で評判も出てくると思います。

そのようにして選んだものは多分メジャーな銘柄なので積立購入に対応しているし、多くは積立NISAやIDECOにも対応していると思います。

積立日の設定は、気分としてですが月初や月末よりは普通の日のほうが変な値動きがなくていいと思います。自動車もやっぱり月初や月末のほうが混んでいるので、そういう日はなんとなく避けたほうがいいかな、と。

あと、ボーナス月の増額もしないほうがいいと思います。目指すは均等な分散投資ですから。

ということで投資の準備はこれでおしまいです。あとは自動で毎月積み立ててくれます。お疲れ様でした。

5 その後の作業

その後の作業は税金の手続きくらいです。NISAにしておけば非課税なので手続きは不要です。IDECOは年末調整で手続きが必要です。

最初のうちは儲かっているかどうか気になるかもしれませんが、なるべく放っておきましょう。ただ、口座のお金がなくなって積立ができなくなっていたりするかもしれないので、時々チェックしましょう。そのためにも、あまり複数の証券会社を使うのはオススメしません。ただでさえ証券会社の口座にログインすると、いろいろな通知が届いているので、それを読まなければならなくて面倒くさいのです。

将来的にお給料に余裕ができたときなどには積立額の調整も必要となります。ここで重要なのは、自分のお財布の具合によって積立額を調整するのはいいけど、景気や株価といった外的な事情で積立額をいじるべきではないということです。だいたい人間の心理は裏目に出ます。安いときに買って高いときに売るのが商売の鉄則であると重々承知しつつも、株価が下がると投資から手を引きたくなり、株価が上がると投資に力を入れたくなります。そのような心理を克服するために機械的に積立にしたのに、色々といじっていたら意味がありません。日頃は投資のことなど忘れて、数ヶ月に一度、残高を確認してほくそ笑むくらいが投資との適度な距離のとりかたです。

6 趣味としての投資

ということで機械的な積立投資をお勧めしてきましたが、もし投資が面白いと感じたら、個別株を買ったり、デリバティブに手を出したり、色々試してみてもいいでしょう。

なぜなら自分のお金がかかっているのだから真剣に色々勉強するだろうからです。また、自分の判断で行動した結果、失敗したり成功したりするなかで学ぶことも多いでしょう。それはきっと、今後の投資において役に立つと思います。

そう考えると、趣味としての投資に回すのはせいぜい総資産の1割くらいにしておいたほうがいいでしょう。また、もし家族の資産を投資しているのだとしたら、きちんと家族の了解をとりましょう。家族の幸せのために投資をしているのですから投資が家族にとっての不幸になってしまったら元も子もありません。僕自身、投資をしていて負けを取り返そうと博打のように熱くなってしまうことがありました。投資は結構危険な趣味です。ほどほどに。

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