これは多分、2013年頃の文章
娘が文章を読んでくれたなんて懐かしい・・・
・・・
あまり、哲学的な文章ではないですが、「中学生のサツキへ」の続編で作ったのでついでに載せておきます。
【はじめに】
哲学のことが煮詰まったので現実逃避。
ということで、ご飯の時に受験のことを話したのでその続きを書いてみよう。
考えたけれど、勉強のコツは、どれだけ知的好奇心を持ち続けられるか、に尽きると思う。
というか、勉強の目的は知的好奇心を持つことで、学校に合格したりするのは、まあ、寄り道みたいなものだ。
だから、ポケモンの攻略のことを考えるのも悪いことじゃない。もしかしたら算数の勉強よりも大切な事かもしれない。
だけど、注意点がある。
寄り道には効用がある。自分の好きなことばかりをしていると視野が狭くなって、他に楽しい分野や必要な分野があるってことに気づかなくなる。
受験勉強をすることで、ある程度、興味がないと思っていた分野にも目が行くようになる。
そういった意味では、受験勉強というものも悪くはない。
あと、もう一つ注意点。
知的好奇心にも質がいいものと、悪いものがある。
質の悪い知的好奇心には惰性、怠惰、安逸、時間つぶしのような要素が入る。
楽な勉強に流れる。
人生に限りがないなら、どういう勉強でもいいのかもしれないけれど、せっかく生きるチャンスが与えられているのだから、質のいい知的好奇心を持って質のいい勉強をしよう。「さくせん」は「まよわずすすめ」だ。
ということで、これから書くことは、どうやったら知的好奇心を持ちつつ受験勉強ができるかという話になるけれど、優先すべきは質のいい知的好奇心だ。それを維持するためなら少しくらい回り道をして、目の前の結果を犠牲にしてもいいと思う。
【面白くない分野の乗り切り方】
小学生でもそうだったと思うけれど、同じ科目の勉強でも面白い分野と面白くない分野があると思う。
算数で図形の問題は面白かったけど、掛け算の問題は面白くなかったというように。
小学校の時は、面白くなくて興味が持てなかった分野でも、多分、わからなくなることはなかっただろう。
だけど、これからは、面白くないと思うと、だいたい、本当にわからなくなる。
その場合、どうしたらいいか。
結論としては、迷わず捨てるべきだと思う。
変に無理して勉強すると、その科目自体が嫌いになってしまう。
ここはわからなかったけれど、次の分野は好きかも、と思って、次にかける方がいい。
だけど、その分、少しでも好きになれた分野では、倍がんばる。
そうすれば、少し回り道だけど、一旦は興味が持てなかった分野もわかってきて興味が持てるかもしれない。
パパは地理が苦手だったけど、歴史が好きだったからそっちをやっていたら、国の成り立ちから国名も少しは覚えられた。
そんなふうに大きな視点でのんびり構えるほうがいいと思う。
【中学の勉強・高校の勉強・大学の勉強】
一番面白いのが大学の勉強で、一番つまらないのが中学の勉強だ。
中学校では、まず、入り口のところだけ広く浅く勉強する。大学では、狭く深く勉強する。
ポケモンで例えれば、中学ではポケモンをやったことのない人にポケモンの名前とタイプ別相性表だけを覚えさせるようなものだ。
大学では、ポケモンの対戦時の戦略の立て方を勉強するような感じだろうか。
大学の勉強の方が高度で難しそうだけど、複雑な分、関連性が出てきて、その分野のことがよりよくわかって勉強が面白くなる。
だから、面白く勉強するコツは、むりやりでも大学の勉強っぽくすることだ。
中学生や高校生の時には、ポケモンの名前だけを覚えさせるような勉強があると思う。
そうしたときに、名前だけを覚えるのではなく、そこに関連性とか、ストーリーとかをなるべく見出して覚えるといい。これは水タイプだな、とか。ハブネークととザングースはライバルっぽいなとか。
その結果、丸暗記したら10体のポケモンの名前を覚えられるかもしれないけれど、5体しか覚えられないかもしれない。
だけど、そのほうがポケモンのことはより良く知ることができるし、多分、よりポケモンが好きになるだろう。
そういう勉強をしたほうがいいと思う。
そして、意外と大事な事だけれど、そういう独創的な勉強で思いついたことというのは、本当に大学の勉強レベルの思いつきかもしれない。大人になったときに、そのアイディア自体が何かのかたちで生かされるかもしれない。
【科目別注意点:これは書いている途中です】
国語
国語というのは捉えどころが難しい科目だ。
ちゃんと捉えようとすると、いくつかに分解しないといけない。
まずは、漢字の読み書きのような技術的なものを身につける勉強。これは生きるために必要だと思ってがんばるしかない。
次に、漢字の構造や、文法のような、日本語というものの仕組みや、文芸学という文学というものそのものについて学ぶ勉強。これは、うまくはまれば知的好奇心は持ちやすいと思う。ただ、残念ながら、こういうことは、あまり中学、高校では学ばない。
最後に、文章をうまく読む能力を高める勉強。これは、なんだか学問としてのしっかりした理論がある訳でもなく、たくさん読むしかない、という性質のものだ。
(本当は、大学受験レベルでは、テクニックとしては色々あるけれど、まあ高校生になってからで十分だと思う。)
教えるのが難しいという意味では、とっても大変な分野なのだけれど、幸いにして君は読書家だ。
幅広い分野の本を読むということさえ心がければ、大丈夫だと思う。
数学
世の中は数学でできている。
リンゴが木から落ちるときのスピードから、携帯電話のメカニズムまで、全て数学で表される。
だから、理系の方面から物事を捉えようとすると、数学を避けることはできない。
それは、理系だけの話ではなく、文系の学問の中で一番成功している(と思われる)経済学だって数学がわからないと話にならない。
そういう意味では、学問における「数学」は、日本人における「日本語」のようなものだ。
ある程度わからないと話にならない。
そんなふうに追い詰めてもなんだから別の言い方をすると、ある程度までのレベルの数学は、パズルのような楽しさがある。
どの程度のレベルまでその楽しさを感じられるかわからないけれど、少しでもその楽しさが分かる限りはあきらめないでついていって欲しい。
理科
これは、比較的、知的好奇心を持ちやすい科目だと思う。
理科というのは、もともと自然科学という無茶苦茶幅の広い学問の分野をひとつにまとめているものだから、独立した雑多なことを次々と学んでいくことになる。
そうすると、そのなかに、ひとつくらいは面白いと思える分野があるだろう。
そこから興味を広げていけるといいと思う。
社会
社会というくらいだから、世の中のことを学ぶ科目だ。
だから、政治の仕組みとか抽象的な話になったときに、どれだけ、自分の身の回りのこととして興味が持てるかが勝負だと思う。
また、歴史は、その奥にストーリーのようなものを感じることが出来れば興味が持てると思う。
英語
これは、サツキに言うことはないかもしれない。
唯一言えるのは、なるべく内容が面白い長文を読むことだろうか。
【まとめ】
と「知的好奇心」というものを重視して色々とアドバイスを書いたけれど、これはあくまでもパパの考えだ。
一方、ママは、もう一つの大事なものをモチベーションにして勉強をした。それは「自己実現」だ。
この場合、勉強は「自己実現」の手段となる。
極端に言えば、勉強は生きるための手段だ、と言ってもいい。
僕の考えでは、勉強は目的で、極端に言えば生きる目的は勉強にある、と言ってもいい。
全然逆だ。
と、こんな感じで誇張して書いたけれど、
僕も本当に好きになれないものは嫌々、浪人しないためと思って勉強せざるを得なかったし、
ママも好きな古文なんかは知的好奇心いっぱいで勉強したと思う。
誰でも両面があると思うし、バランスをとるのがいいと思うよ。
勉強は「自己実現」の手段だから頑張れ、という話はママに聞いてください。